冬の京都旅 ⑦|きぬかけの路から仁和寺へ|西門から入る静かな時間

冬の京都旅

龍安寺から、再びきぬかけの路を歩いて、西へ。
人気のない道で落ち葉がカラリと音を立てる。

ここまで来たのなら、仁和寺へも寄ってみよう。
少し大回りする道を歩いても15分ほどの距離。
仁和寺の裏手あたりの小さな西門から境内に入った。


門をくぐると、すぐ左手には御影堂(みえいどう)。
先にいたご夫婦が、ゆっくりと言葉を交わしながら手を合わせている。
待っている間、案内板を読む。

真言宗の開祖・弘法大師空海を祀る場所。この仁和寺を完成させた寛平法皇(宇多天皇)とその孫、誠信親王も祀られているとのこと。
天皇家ゆかりの格式高い御堂だ。
私もご夫婦に続いて、手を合わせる。

御影堂を後にして、奥へと進むと左手に背の高い鐘楼。
その向こうには巨大な建物、国宝の金堂が静かに立っていた。

その前に立つと、
その大きさに、圧倒される。
人間なんてちっぽけだなと思わせる、
そんな気持ちにさせる存在感にまた、手を合わせる。

さすが世界遺産、建物一つ一つが重厚で格式が高い空気をまとう。
そんなことを考えながら、五重塔と拝殿の間の道を行く。
冬の光の中で、建物の影がやわらかく伸びている。

その先に、人の集まりが見えた。

近づくと、現代の服の人たちの中に、
侍や町娘の姿。
どうやら、時代劇の撮影らしい。

顔まではよく分からない。
ただ、あの独特の浪人髷と呼ぶ髪型と
すらっとした着物の線の印象に残った。

あとになって思えば、
あれは眠狂四郎の撮影だったのかもしれない。

静かな寺の中に、
別の時代の気配が、ふっと混じる。
邪魔にならないように、その場を離れた。

やがて視界が開け、
広い参道へと出る。

その先には大きな二王門。
西門から入ったときとは違う、仁和寺のもうひとつの顔だった。

このあと、仁和寺の御所庭園と宸殿も拝観へ
その静かな空間については
仁和寺の御所庭園と宸殿|白書院・黒書院と小川治兵衛の庭を歩く
にまとめています。

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