二条城
二の丸御殿台所・御清所
展示空間に入って感じたのは、
澄んだその静けさ。
広い空間の中に、作品がゆっくりと置かれ、
主張するというよりも、ただそこに在るような存在感。
キーファーの作品に多く使われる鉛。
触れなくても、
その重さだけは確かに伝わってくる。
作品に宿る思いは、
歴史、女性、神話、記憶。
歴史の中で虐げられてきたものや、
忘却された存在へのまなざし。

どれも、どこか遠い話のようでいて、
でも現代の今も戦争が起きているのだから、
こちらへ引き寄せられる。
理解しようとすると遠ざかり、
そこに立っていると、
なにか受け取れるものがある。
タイトルの「ソラリス」は、太陽を意味する言葉だという。
再生というテーマも、この展示に込められている。
キーファーの作品は、
重く、重厚なイメージがあるのに、
今回の「ソラリス」では、
この空間の中では不思議と重さを感じなかった。


凛としていて、
どこか潔く、
むしろ清々しさのようなものがある。
空気が澄んでいる。
それが作品そのものなのか、
それとも、
二条城という場所がそうさせているのか。
それは、双方の共鳴が生むものなのか。
その感覚が強く残っている。

理解するというよりも、
ただその場に身を置いている時間だったように思う。
その大きい何かを持ち帰るというより、
あとになって、ふと思い出すような体験。
その静けさごと、
記憶に残っていくのだと思う。


この余韻と一緒にもう一つの現実に戻る。
碁盤の目の街へ

アンゼルム・キーファー「SOLARIS」展
京都二条城 二の丸御殿台所・置屋
2025年3月31日~2025年6月22日 ※会期は終了
https://kieferinkyoto.com/eng/index.html



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