白川疏水通りを、京大農学部のグラウンドを横目に進み、御蔭通りを西へ。
線路を越えて高野川が視界に入るあたりまで来ると、にぎやかさが少し戻ってくる。
御蔭橋を渡る。
ここまで歩けば、下鴨神社。
そう思うと、足取りもゆっくりになる。


橋を渡り、糺の森へ入ると、空気が変わる。
来るたびに毎回思うこと。
さっきまでの道とは、明らかに違う。
空気は澄み、音はやわらぎ、光はやさしくなる。
足元は土と落ち葉。
踏みしめるたびに、小さな音がする。

まっすぐに伸びる道の両側に木々が続き、
見上げると、青い空を背景に葉が重なる。
特別なことは何もないのに、ゆっくり歩きたくなる。
なぜか、立ち止まりたくなる。
こういう場所では、急ぐ理由が見つからない。
三つ目の大きな鳥居をくぐり、境内へ。
人の気配が少し戻る。けれど、どこか落ち着いている。
手を合わせる人たちを横目に、自分も本殿へ。
いつもの挨拶と、お礼を。
干支神社にも手を合わせて一周すると、
鳥居の横の大きな絵馬に目が止まる。
この年の干支の蛇だ。

観光地でありながら、
どこか京都の人の生活の延長のような空気があるのは、
たくさんの神社や寺院が身近にある京都ならでは、
それがまた、ここを特別の場所にしているのかもしれない。
本殿前の縁結びの社にも手を合わせ、
みたらし茶屋側の鳥居手前、古札納所に昨年のものをお返しする。
森を抜け、アスファルトの道に出ると、外の光が少し強く感じる。
春とはいえ日差しはしっかりとあり、
歩いてきた体は少し汗ばんでいる。
そのタイミングで見つけた、ガラス越しのジェラート。
以前はなかった記憶。
ちょうどいい。
そう思って、迷わず入る。
自家製ラムレーズンをひとつ。
ひんやりとした甘さが、体にすっと入る。

こういう一口が、妙に記憶に残る。
少し腰を下ろして、ひと息。
また歩けそうな気がして、店を出る。
歩いて、立ち止まって、また歩く。
その繰り返しだけで、時間はゆっくりと進んでいく。
京都の一日は、
こういう過ごし方もまた、しっくりくる。

ここからバスに乗り、次の場所へ。

立ち寄った場所
左京区
・下鴨神社
古い歴史を持つ神社で、糺の森に囲まれた境内は静けさと澄んだ空気に包まれている。
・糺の森
下鴨神社へと続く広い森で、街の近くにありながら空気が変わるような静けさがある。
・友和堂
下鴨神社西参道近くのジェラート店で、春のフルーツや自家製ラムレーズン、
海外のチョコレートを使って丁寧に作られたジェラート。
歩いたあとに立ち寄りたくなる軽やかな甘さがちょうどいい。
←春の京都旅 ⑪ 哲学の道から白川へ|鯖すしとカフェで過ごす京都散歩
→春の京都旅 ⑬ 西陣の路地裏さんぽ。キングオブ銭湯「船岡温泉」…
🏨 京都・下鴨エリアの宿をお得に予約する
下鴨神社や糺の森を散策した後は、出町柳・下鴨エリアの宿が便利です。じゃらん・楽天トラベルでお得に予約できます。


