下鴨神社をあとにして、ここからはバスに乗る。
午後の夕方に向かう時間帯、車内の空気も少しゆるんでいる。
建勲神社前でバスを降りて、そこから少し歩く。
住宅街の中の住所表記の文字に京都らしさを感じて、
抜けるように進むと、目的地が見えてくる。

そこは、北区紫野、
船岡山の南に位置する。
船岡温泉。

古くから続く名銭湯。
国の文化財にも指定されている豪華な建築。
唐破風の入口や細かな装飾など、銭湯でありながらどこか寺社のような佇まい。
その佇まいは大正から昭和の面影を残すレトロさが印象的。
ケヤキの格天井や彫刻欄間、マジョリカタイルなど、
ひとつひとつに目が止まる。
装飾は多いのに、不思議と落ち着いているのは時間の成せるワザ。
建物全体が、ひとつの作品のように感じられる。

一方で、お風呂はとても実用的。
電気風呂や露天、薬草風呂など、しっかりと揃っている。
西陣の中にあって、もともとは大正12年に料理旅館として始まった場所。
入口から独特の雰囲気がある。
観光地というより、日常と非日常が混ざったような場所。
入口に停まっている自転車を見て、地元の人が通っているのだとわかる。
長く愛されている場所なのだと思う。
靴箱に靴をしまい、入浴料を払う受付へ。
レトロな受付台の向こうには、
チャキチャキとした京都のおばちゃんという雰囲気の女性。
これは京都のあるあるかもしれないと密かに思っているけれど、
商売的な愛想ではない、でも「おおきに」と声をかけてくれる、そんな距離感。
そのやり取りを済ませて、脱衣所へ向かう。
ケヤキの格天井や彫刻欄間、
マジョリカタイルが空間全体にレトロな空気をつくっている。
お風呂へ向かう廊下には、錦鯉が泳ぐ池。
浴室に入ると、思っていたよりも広い。
深い浴槽、浅い浴槽、薬湯に電気風呂。
露天風呂やサウナもあり、ひと通り揃っている。
ひとつひとつ試しながら、ゆっくりと体を温めていく。
この日は外国の方の団体と重なり、
少し落ち着かない時間でもあった。
それでもしっかりと体は温まり、
外に出ると空気が気持ちよく感じる。
銭湯を出たあとの、あの感じ。
体がふっと軽くなるような、不思議な感覚。
ここは、また訪れたい。
次は西陣エリアを歩くついでに立ち寄ろうと思う。
京都を訪れるたびに、銭湯を巡るのもひとつの楽しみ、
その中でも船岡温泉は、いつか訪れてみたいと思っていた場所だった。

鞍馬口の地下鉄駅へ向かう途中、
ゲストハウスやカフェ、レストランが並ぶ通りを抜ける。
古い歴史を持ちながらも、変わり続けている場所なのだと感じる。


ここから地下鉄に乗り、街の中心へ向かう。
まだ時間は早く、もう少しだけ京都の夜を歩いてみたくなった。
→春の京都旅 ⑫ 下鴨神社、静けさの中を歩く
🏨 京都・西陣エリアの宿をお得に予約する
西陣の路地裏や船岡温泉を楽しんだ後は、二条・烏丸エリアの宿が便利です。じゃらん・楽天トラベルでお得に予約できます。


