西門から歩いた境内とはまた違う、
仁和寺の奥の空間へ。
二王門前で拝観料を納め、勅使門をくぐる。

白砂利の先に広がるのは、
どこか御所を思わせる、静かで整った景色。
大玄関へと続く道の脇には、青々とした松。
冬の光の中で、その色がくっきりと浮かび上がっている。
白書院、黒書院へと進む。
廊下を歩くと、足音だけがやわらかく響く。
途中、改修中の箇所もあり、長い時間を経て守られてきた場所なのだと感じる。
奥へ進むと、宸殿。
室内には、将棋の対局の写真が飾られていた。
静かな空間の中に、現代の時間がそっと重なっている。

さらに奥へ。
霊明殿。
控えめに開かれた、分厚い木の扉。
その隙間から、そっと手を合わせる。
内部は見えないのに、
その奥に続く空気だけが、静かに伝わってくる。
ふと視線を上げると、装飾の彫刻。
唐草を図案化した意匠が、
やわらかな光の中に浮かび上がっていた。
その前に広がる庭。
落ち着いた佇まいの中に、
どこかやわらかな動きがある。
近代庭園の名庭師・小川治兵衛による作庭だという。
派手さはないけれど、
長く眺めていられる庭だった。

しばらく、眺める。
風もほとんどなく、
時間だけがゆっくりと流れていく。
仁和寺の奥には、
こんな静かな時間があった。
西門から歩いた境内の様子は、こちらの記事で。
→冬の京都旅⑦きぬかけの路から仁和寺へ|西門から入る静かな時間
旅のヒント記事はこちら
→京都駅で1時間・2時間あったら|帰りの新幹線までを満たす過ごし方
静かな京都旅の記録はこちら
→【2026年版】清水寺の混雑回避|朝7時参拝のすすめ
旅の始まりを静かに整える、早朝参拝のすすめ。
→ 【完結編㉓】出町柳から京都御苑、そして「Roastery DAUGHTER & Gallery SON」へ。鯖寿司で〆る「余白」を愉しむ春の京都旅
伊勢丹B1Fの期間限定の味や、駅弁への想いをじっくり綴った実体験エッセイ。
総本山仁和寺
右京区にある真言宗御室派の総本山。
宇多天皇ゆかりの寺として知られ、御室御所とも呼ばれる。
広い境内と落ち着いた御所庭園。
静かな時間を過ごしたいときに、ふと訪れたくなる場所。
https://ninnaji.jp
・アクセス:嵐電「御室仁和寺駅」から徒歩約3分/龍安寺からきぬかけの路で徒歩15分
・拝観時間:9:00〜17:00(季節により変動あり)
・御所庭園拝観料:大人800円

🏨 前泊・延泊で、京都の時間にゆとりを(PR)
京都はジグザグに歩いてこそ、面白い街です。
予定を決めすぎない時間を持つために、前泊・延泊で旅に余白を。


