五山送り火の大文字山を登る|京都トレイル低山トレッキングでひと味違う観光と頂上からの絶景

大文字山の火床から見下ろす秋の京都市街と紅葉 京都トレイル・山歩き

 最近、低山ハイキングが新しいアウトドアのトレンドになっています。ジャーナリスト・佐々木俊尚さんの著書『歩くを楽しむ、自然を味わう フラット登山』がベストセラーになるほど、「登山」のイメージが変わりつつある今。そんな流れの中でも特に注目を集めているのが、京都トレイルコース、東山エリアの大文字山です。

五山送り火の「大文字」が灯ることで知られるこの山、実は初心者でも無理なく登れるハイキングコースとして地元の人にも長く愛されてきました。私も最初は、あの”灯る大文字”の場所に自分の足で立てるなんて、思ってもいませんでした。
 実際に地元の方と一緒に大文字山を歩いた記録をもとに、ルートのポイントや頂上からの絶景をお伝えします。

大文字山とは

 標高465m。京都市左京区に位置する大文字山は、毎年8月16日の五山送り火で「大」の字が灯ることで有名な山です。京都トレイル東山コース上にあり、銀閣寺方面からのアクセスが一般的。登山口から山頂まで約1時間ほどで登れる、日帰りハイキングに最適な山です。

銀閣寺の登山口は哲学の道の端にあるので、哲学の道や銀閣寺の散策と組み合わせるのがおすすめ。地元で買ったお弁当や鯖寿しを持参して、山頂でゆっくりお昼ご飯——そんな京都らしいプランも楽しめます。

いよいよ、銀閣寺登山口から、五山の送り火で知られる大文字山へ。

銀閣寺参道を歩く登山者2人の後ろ姿・大文字山トレッキングへ出発

思いがけないご縁で、祇園祭でお世話になった方に地元の登山仲間を紹介していただき、にぎやかな3人でのトレッキングになりました。

大文字山登山道・木の根と落ち葉が広がる山道


トレッキングの楽しみって、なんだろうと考えると——道中の自然、下山したときの達成感、山頂からの眺め。そして、山頂でほおばるおにぎりの味。塩と梅干し、シンプルなやつです。何十倍もおいしくなる、と言ったら大げさに聞こえるかもしれないけれど、とにかく、格別においしい。熱をおびたカラダにじわっとしみる、ひとかけらのチョコレートも然り。食いしん坊ということもあるかもしれません(笑)

山頂へ向かう前に、まず火床へ立ち寄りました。

大文字山火床に残る送り火の炭・無病息災の言い伝え


京都盆地を一望できる急勾配の斜面に、「大」字をかたちづくる火床が並びます。送り火としての役目を終えた薪は、玄関に吊るすと魔除けや無病息災のご利益があるという言い伝えがあるそう。送り火の翌朝、地元の方々が拾いに来るのだとか。

私も無病息災を願って、小さな炭をすこしだけいただいてきました。

大文字山火床に残る送り火の炭・無病息災の言い伝え


五山の送り火を思い返しながら、火床からの眺めを堪能します。

大文字山火床からの京都市街の眺め
大文字山火床から山頂への石階段


火床を後にして、さらに山道を登ること15分ほど。木々の間を抜けると、ふいに視界が開けた。「大文字山」と刻まれた石標の前に立つ。やった、着いた。

大文字山山頂から見渡す京都市街と山並みのパノラマ

眼下に広がる京都の街、遠くには大阪のビル群。汗をかいて登ってきたからこそ、この景色がただの「いい眺め」じゃなくなる。自分の足で稼いだ、特別な時間です。



下山後、銀閣寺前を歩いていると、町家の軒下に和紙で包んで水引で結んだ炭が、粽と一緒に吊るされているのを見かけました。

こういうことを、ちゃんとしているんですよね。
やっぱり京都っていいな、と思う瞬間です。

人のいない場所を探してめぐる、京都旅です。

アクセスと登山口

銀閣寺・大文字山登口の案内板

登山口へのアクセス
市バス「銀閣寺道」下車 → 銀閣寺参道を抜けて登山口へ(徒歩約15分)
登山口は銀閣寺の東側にあります。案内板がしっかり出ているので、初めてでも迷いにくいのが安心なポイントです。

コースと所要時間

大文字山の火床石段と紅葉・京都市街の絶景

標準コース 登山口 → 火床(大の字) → 大文字山頂上

  • 所要時間:登り約60分 / 下り約45分
  • 難易度:★★★☆☆(山道あり・歩きやすい靴が必須)

途中の「火床」は、五山送り火の実際の点火場所。ここからでも京都の街並みが一望でき、思わず立ち止まってしまうほどの景色が広がります。さらに少し登ると、いよいよ頂上へ。

頂上からの眺め

大文字山頂上から望む京都市街と広い空

ふと視界がひらけて、京都の街が広がる瞬間。これが大文字山の醍醐味です。碁盤の目のような京都市街、遠くには大阪のビル群、晴れた日は六甲山まで見渡せることも。山を登って得られる景色は、どの観光スポットとも違う、自分の足で稼いだ特別な眺めです。

🎒 持っていくもの・準備

東山コースは整備された歩きやすいコースですが、構えすぎなくていいけれど、最低限の準備はしておきましょう。

✅ 天気の確認(雨の日は山道が滑りやすくなります)

大文字山トレッキングに履いていったトレッキングシューズ

歩きやすいシューズ

スニーカーでも歩けますが、ソールに厚みがあるものがあると、観光時間も含めて長時間歩くので足への負担を減らせます。

飲み物・軽食

コース途中に自販機やお店はありません。500ml以上の水分と、お気に入りのチョコや食べやすいお菓子を行動食として持参すると安心です。疲れる前にエネルギーチャージがコツです。旅の荷物にコンパクトにできるナップサックを忍ばせておくとトレッキングにも観光にも便利です。

雨具

山の天気は変わりやすいもの。折りたたみ傘もいいですが、両手の空くレインウェアがおすすめ。

地図・ガイドブック

スマホの地図だけでは、ちょっと不安。京都一周トレイル会公認のマップ&ガイドブックがあると、ルートや見どころが一目でわかって便利です。

帽子・日焼け止め

稜線に出ると日差しが強い場所もあります。紫外線対策は忘れずに。

📚 一緒に持っていきたい一冊

京都一周トレイル東山コースを歩くなら、京都一周トレイル会公認のマップ&ガイドブックがおすすめです。全コースのルートや見どころが詳しく載っていて、初めての方でも安心して歩けます。

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冬の京都を旅する ② 北区『Vivobarefoot 京都』で足元を整える。

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冬の京都を旅する① 12月の京都旅・五条「山と道」を訪ねて

京都一周トレイルの東山コース伏見・東山エリア>街と山の境界を歩く感覚

大文字山は京都トレイル東山コースの一部。ここを起点に南へ歩けば将軍塚、北へ歩けば比叡山方面へとつながります。体力と時間に余裕があれば、コースをつなげて歩くのもおすすめ。まずは大文字山だけでも、十分に満足できる山歩きです。京都トレイルは市街地のすぐ隣にありながら、一歩入ると別世界のような自然に包まれる。木々の間から京都市街がちらっと見える瞬間が、このコースの“ちょうどいい非日常”。円山公園(八坂神社奥)を起点に北へ向かい、青蓮院、将軍塚、清水山、蹴上を経て比叡山方面へ続く約20〜25kmのコースです。円山公園からアクセスしやすく、初心者にも適した歴史と自然を楽しめる人気のハイキングコースです。

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訪れるのにおすすめの時期

訪れるのにおすすめの時期

平日の午前中:観光客が少なく、静かに歩ける

春(3〜4月):桜と京都の街並みのコラボが美しい

秋(11月):紅葉シーズンは山も街もいっそう色鮮やか

東山・銀閣寺エリアへのアクセスに便利な宿はこちら👇

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まとめ

大文字山は「京都観光のついでに登れる山」として、ひとり旅にも最適です。トレッキングの前後に銀閣寺の参拝、哲学の道の散策と組み合わせれば、1日の充実度がぐっと上がります。京都トレイルの入口として、ぜひ一度歩いてみてください。

行者の森 大文字山参道 石碑
銀閣寺参道の石畳と紅葉・大文字山ハイキングの出発点

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