春の京都旅 ㉑ 小川珈琲の朝から蓮華寺へ。桜と静寂に出会う洛北ぶらり歩き

京都旅の記録

旅の朝は、京都駅の地下から

 春の京都旅の最終日の朝は、京都駅の地下からはじまった。

四条室町の宿をチェックアウトして、スーツケースを転がしながら、
京都駅へと向かう。京都への名残惜しさが地下鉄を使わない、駅までの京都の街並みを歩貸せる。
京都タワーの横を通り、スーツケースを駅のコインロッカーに預けると、
地下への階段を降りる。

京都駅地下 小川珈琲 モーニング トースト
京都駅地下 小川珈琲 店内 朝の風景

ひっきりなしに客が訪れる小川珈琲。通勤時間帯の店内は、出勤前の人たちでほどよく賑わっている。分厚いトーストとコーヒーにサラダがついているのがうれしいセット。旅先の朝食は、こういうシンプルなものがちょうどいい。

前の席では、流暢な京都ことばで観光の手配を進めていた女性が、電話を切るなり、今度は流暢な英語に切り替えて、向かいに座る外国人男性に予約の報告をしていた。車の手配から予定の確認まで、淀みなく。その姿を見ながら、数日前の二条城で出会った専属ガイドのおじさまのことを思い出した。ここでも、観光都市京都の一面を垣間見る。言葉の壁だけでなく、京都の暗黙のルールまで知り尽くした人が案内人というのは、旅の安心感がまるで違うのだろう。

国立京都国際会館 外観 春 桜

そんなふうに想像を巡らせながら、トーストをかじり、コーヒーを飲む。旅の朝のひとり時間は、こういう些細な観察が楽しい。一人旅の醍醐味の一つ。

国立京都国際会館へ

朝食を済ませ、地下鉄烏丸線に乗り、終点の国際会館駅へ。

国立京都国際会館 大谷幸夫 建築 逆台形

旅最終日の目的地までの道すがら、寄ってみたかった国立京都国際会館は、駅からは徒歩で数分。この日は残念ながら内部公開されていない日。
それでも外観だけでも十分に見ごたえがあった。

国立京都国際会館 敷地内 桜並木

1966年に建てられた建築家・大谷幸夫の設計で、逆台形が積み重なった独特のフォルムは、時代を超えても古びない力強さを感じた。地下鉄の駅を降りてから、敷地内までの道のりには桜が見頃を迎えていて、モダンな建築と春の花が静かに迎えてくれた。

国立京都国際会館 春 モダン建築
同志社 桜並木 左京区 春

次回は公開されている日に改めて来ようと思った。
建物の内部を見ていたいと思う。

同志社の桜並木を歩いて、蓮華寺へ

国際会館からさらに遠回りをして、同志社中学・高校の前の桜並木を歩く。
ここも満開の桜だ。

蓮華寺 山門 参道 京都 洛北


途中からは住宅街の中を進む。
京都では、有名な観光スポットでなくても何気ない通りでも、
何となく風情があるから不思議だ。

今日の目的地へ向かう途中、マップを眺めながら見つけた
洛北” 蓮華寺 ”に立ち寄ることにしていた。
八瀬へ向かう道沿いにひっそりとたたずむ小さな寺院だ。

蓮華寺 石仏 地蔵菩薩 左京区

門をくぐると、美しい石畳と苔に覆われた露地庭が迎えてくれた。

参道に入ってすぐの左手奥にはたくさんの古い石仏が並んでいた。中央にはひときわ大きい地蔵菩薩石像。古い石仏その数約300体とも言われているそうで、京都市内での工事に際して発掘され、この寺院に安置されている。京都の寺院ではこうした石仏群を時折見かける。

蓮華寺 露地庭 苔 石畳 春

ちょうど先客のご夫婦が帰るところで、入れ違いにひとりになる。

開放的な畳敷きの広間からは、苔と木立の庭、そして趣ある池が見渡せる。
池には亀島、鶴石・舟石の石組み。
緑の中の紅一点、赤い椿が楚々と咲いている。

蓮華寺 書院 畳 庭園 池

苔と木立の向こうには本堂も見える。

蓮華寺 青もみじ 本堂 木立

静寂の中の美しさ。
誰も来ない時間。

和尚さんが、静寂を愉しめるようにだろう。
席を外してくれた。

木々の合間から太陽の光が映る縁側。
それを書院の畳から眺める。
鷲の杉戸絵も美しい。

蓮華寺 縁側 太陽光 鷲の杉戸絵
蓮華寺 本堂 内部 天井 龍


シンと静まり返った畳から、庭からの石段でサンダルに履き替え、庭を通って本堂へとゆっくり回る。
時を経た木造の本堂に入ると、安置されているご本尊の釈迦如来坐像に手をあわせ、その左右の阿弥陀如来像、不動明王像にも手を合わせる。見上げると天井には龍が泳いでいる。
厳かな空気に満ちている本堂をしばらく体感する。

本堂から書院への庭園の眺めも美しく、なんて贅沢な時間だろう。
と思う。

一人、正座する時間。
こういう場所に出会えることが、京都の旅をやめられない理由のひとつだと思う。

帰り際、和尚さんと話をしていると、
「紅葉の時期もきれいでとても賑わいますが、個人的には若葉が芽吹く頃や初夏の青もみじの季節が静かでおすすめですよ」とおっしゃっていた。
青もみじ、次に来る時は初夏の頃にと心に決める。

満開の桜の頃の蓮華寺は、楚々とした美しさに満ちていた。

蓮華寺 春 桜 境内

📍 蓮華寺|拝観情報

拝観料大人 500円
拝観時間9:00〜17:00(受付16:30まで)
定休日なし(荒天時を除く)
アクセス叡山電鉄「三宅八幡駅」から徒歩約10分
住所京都市左京区上高野八幡町1
おすすめ初夏の青もみじ・秋の紅葉

立ち寄った場所

  • 小川珈琲 京都駅店
    下京区・京都駅地下ポルタ内。地元客にも愛されるコーヒーの名店
  • 国立京都国際会館
    左京区岩倉大鷺町・大谷幸夫設計の名建築。敷地内は散策可
  • 蓮華寺
    洛北 左京区上高野八幡町。苔と石畳の静かな境内。紅葉と新緑の季節がおすすめ

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