京都人の密かな愉しみ|ドラマに恋して通うようになった京都と、ロケ地を歩いた記録

京都人の密かな愉しみ

※本記事にはプロモーションが含まれます。

 長い時間が流れ、仕事や日々の生活に追われるうちに、私の中の「京都」は、いつしか遠いものになっていました。かつての一人旅の記憶は心の片隅に残っていたものの、日常の忙しさに押され、思い出すこともないままでした。

 そんなある日、偶然目にしたドラマ――『京都人の密かな愉しみ』が、私の心を強く揺さぶりました。

ドラマが映していたのは、観光地ではない京都でした。

 画面に映るのは、静かな町の空気や、古い町屋が並ぶ路地の佇まい、季節の移ろい。
そして、その中で楚々と暮らす京都の人びとの姿。
華やかな観光地の風景ではなく、歴史とともに日常の生活の中に自然に息づく京都の町の時間。
言葉にしなくても交わされるやりとりや、何気ない仕草のひとつひとつが、画面から美しく伝わってきました。

その世界を見て、長らく忘れていた京都への思いが、ふたたび目を覚ましました。
あのとき感じた静かな街の空気、路地を歩く楽しみ、人の気配――
そのすべてを、もう一度味わいたいという気持ちが自然に湧いてきたのです。

それ以来、年に一度は京都へ通っています。

 それ以来、年に一度は京都を訪れるようになりました。
有名な観光地だけでなく、街の生活の気配に触れながら、ゆっくり歩くことを大切にしています。
朝の静かな通りを歩き、商店街を眺め、町屋の軒先で立ち止まる。
足の向くまま、気の向くままに歩き、街の空気や人の存在を丁寧に感じ取る――そんな旅の時間が、いまの私にとっての京都です。

そして、ちょっと暮らすように街を歩くことで、京都の奥深さや魅力を、以前よりも身近に感じられるようになりました。
あの頃の一人旅で芽生えた京都への恋心が、いまも変わらず、静かに街の時間の中で育まれているのだと思います。

”ちょっと暮らすように旅する”
それが、いまの私の京都の歩き方です。

次の記事では、「ちょっと暮らすように旅する」楽しみ方をご紹介します。

ロケ地を歩いた記録

通ううちに、「あの場面の場所に立ってみたい」と思うようになりました。ドラマで見た橋、路地、喫茶店。実際に歩いてみると、画面の向こうにあった京都が、自分の足の下にありました。

 訪ねた場所を、半日ずつのコースにまとめています。

鴨川さんぽ編|賀茂大橋から喫茶KANOまで

 『Rouge−継承−』に出てくる鴨川べりを歩くコースです。賀茂大橋、銅駝水、そして喫茶KANO。川の流れに沿って歩くだけで、ドラマの空気の中に入っていけます。

『京都人の密かな愉しみ Rouge−継承−』のロケ地を歩く|賀茂大橋から喫茶KANOまで、鴨川さんぽ半日コース
※本記事にはプロモーションが含まれます。 『京都人の密かな愉しみ』というドラマを、ご存知でしょうか。京都の老舗和菓子屋を舞台に、この街の暮らしと四季を静かに描いてきた、NHKのシリーズです。今年の1月から3月には、最新章『Rouge−継承−…

御所東〜西陣編|俵屋吉富・梨木神社・本法寺

 和菓子屋の老舗と、染井の水が湧く神社、そして本法寺。御所の東から西陣へ抜ける、京都の職人の街を歩く半日です。

『京都人の密かな愉しみ ロケ地を歩く』|俵屋吉富・梨木神社・本法寺を歩く半日
※本記事にはプロモーションが含まれます。 前回の記事、鴨川沿いのロケ地巡りの前日にも、ロケ地巡りしてきました。 私の京都バイブル、『京都人の密かな愉しみ』——京都の老舗和菓子屋を舞台に、この街の暮らしと四季を静かに描いてきたNHKのシリーズ…

ロケ地の一覧|どの場所が、どの回に出てくるか

 ロケ地を調べていて、いちばん困ったのは、どの場所が何話に出てきたのかが、ひとつにまとまっていないことでした。あちこちのサイトに少しずつ載っていて、突き合わせないと分かりません。

 自分のために作った表を、ここに置いておきます。実際に立ってみた場所には、歩いた記録へのリンクをつけました。

Rouge−継承−(2026年1月〜3月・全9話)

場所ドラマでの登場話数歩いた記録
鴨川の飛び石(リッツ・カールトン前)パリから着いた洛が、最初に立つ場所第1話鴨川さんぽ編
本法寺洛と三八子の過去につながる場面第2話御所東〜西陣編
梨木神社八代目・鶴子の参拝/エンディングの萩まつり第3話御所東〜西陣編
誉田屋源兵衛(室町三条)伊月の実家「伊づ譽」/外観のみ第3話—
下御霊神社八代目・鶴子の参拝第4話御所東〜西陣編
雨宝院(西陣)洛の幼少期の回想第4話御所東〜西陣編
銅駝水(夷川通)教授が水を汲みに来る名水第5話鴨川さんぽ編
喫茶KANO(清水五条)八代目・鶴子と洛がお茶をする第7話鴨川さんぽ編
賀茂大橋「鴨川のサルトル」がいる橋の下第8話鴨川さんぽ編
ウェスティン都ホテル京都嘉譽子が茜と会う、村野藤吾の螺旋階段第8話—
俵屋吉富 本店(室町通)和菓子屋「久楽屋春信」そのもの主舞台御所東〜西陣編
同志社大学 今出川キャンパス劇中の「洛志社大学」—御所東〜西陣編
ミラノ工務店(銅駝水の横)「六角総合法律事務所」/外観のみ—鴨川さんぽ編
本家田毎 三条本店嘉譽子と広臣がそばを手繰る店——
cafe mole(御幸町二条)バー「Forest Down」の外観——
京菓子司・俵屋吉富の本店。『京都人の密かな愉しみ Rouge−継承−』の「久楽屋春信」
賀茂大橋の下。ドラマで「鴨川のサルトル」が過ごす場所
喫茶KANOの外観。『Rouge−継承−』第7話のロケ地
梨木神社の参道。萩の若い緑につつまれた石灯籠

初代シリーズ

場所ドラマでの登場作品歩いた記録
荒神橋の飛び石を渡った先待子が能管の音に惹かれる、大木の下のベンチ『月待の笛』鴨川さんぽ編
相国寺塔頭・瑞春院「桐タンスの恋文」(「代替わり編」として放送)/通常非公開初代シリーズ御所東〜西陣編(門前まで)

祭のさなかにも、ドラマの京都はありました

 2026年の夏、祇園祭の後祭を歩きました。

 巡行の列を逆行しながら南へ下っていく途中、室町通と御池通が交わる角で足を止めました。『Rouge−継承−』に出てくる、あの建物です。祭のさなかに、まさかここでこの角に出るとは思っていませんでした。

 ドラマで見た京都と、祭の京都が、同じ通りで重なった日でした。

祇園祭 後祭の宵山と巡行|山鉾を並ばずにじっくり見られる、もうひとつの祇園祭
※本記事にはプロモーションが含まれます。 京都の祇園祭というと、14日から16日の宵山の夜の山鉾を飾る「駒形提灯」と人の波、七月十七日の山鉾巡行を思い浮かべる方が多いかもしれません。季節の風物詩として、映像に映る、あの人の海。 祇園祭は、1…

まだ行けていない場所

 表の「—」が、まだ立てていない場所です。

 いちばん行きたいのは、ウェスティン都ホテル京都。第8話で嘉譽子さんが茜と向き合う、あの螺旋階段です。村野藤吾の設計で、泊まらなくてもロビーは見られるそうです。

 伊月の実家「伊づ譽」になった誉田屋源兵衛は、室町三条の老舗です。基本的に中へは入れませんので、あの構えを外から眺めることになります。

 あとは、嘉譽子さんがそばを手繰る本家田毎と、バーの外観に使われたcafe mole。どちらも前を通ったことはあるのに、ドラマで見たあとに、まだ寄っていません。

 次に京都へ行くときの、宿題です。

作品のこと

 『京都人の密かな愉しみ』は、NHKのドラマとドキュメンタリーのシリーズです。初代シリーズはDVDで全5巻——『京都人の密かな愉しみ』『夏』『冬』『月夜の告白』『桜散る』。

 最新章の『Rouge−継承−』は、2026年1月4日から3月22日まで、日曜の夜10時に全9話。240年続く和菓子屋「久楽屋春信」の継承をめぐる物語です。監督・脚本は源孝志さん。

 ※オムニバスの一篇『月待の笛』は、本上まなみさん演じる鵠沼待子の話です。『月夜の告白』の中の一篇なので、探すときは篇名で。

これから

 このシリーズは、まだ途中です。ドラマに出てきた場所は京都じゅうにあって、訪ねられていないところのほうが、ずっと多く残っています。

 次に京都へ行くとき、またひとつ、どこかの角に立ってみようと思います。歩いた記録は、このページに足していきます。


参考にしたもの

 ロケ地の裏取りには、次のページを参考にしました。ファンの方の記録に、ずいぶん助けられています。

  • 美術展ナビ(読売新聞社)の聖地巡礼記事
  • 京都てっぱん日記のロケ地まとめ
  • 月光喫茶室(話ごとのあらすじとロケ地)
  • 4travel の旅行記(初代シリーズ)

 この表は、これらを突き合わせたうえで、私が実際に立った場所と照らし合わせたものです。

 


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ドラマで心を動かされた京都へ、もう一度。ロケ地を歩くなら、朝と夕方の街がいちばんきれいです。前泊・延泊で、その時間を持てるようにしておくと、旅がぐっと深くなります。


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