みたらし祭の朝|糺の森を歩いて、冷たい水へ

「みたらしまつり」の青い幟。糺の森の緑を背に、竹竿に掲げられている 京都旅の記録

※本記事にはプロモーションが含まれます。

二日目の朝|鴨川デルタから、糺の森へ

朝の山鉾町の通り。奥に白い提灯を掲げた山鉾が立ち、真木の松が空へ伸びている


 この日は、朝いちばんに下鴨神社へ。暑くなる前に、鴨川デルタで過ごして、糺の森を歩いて涼む。そして、みたらし祭の足つけ神事を体感する。真夏の京都、涼しい朝の時間から動き出します。

 早朝の山鉾町。タクシーが入ってこられません。祭のあいだ、新町通は山鉾で塞がっているので、烏丸通まで歩きました。大通りまで出て、すぐに捕まえた流しのタクシーに乗り込みます。このあたりの事情は、祇園祭後祭の記事にも書いています。 
祇園祭 後祭の宵山と巡行|山鉾を並ばずにじっくり見られる

 

鴨川デルタの前でタクシーを降りたのは、七時前。

 鴨川デルタ。賀茂川と高野川が合わさって、鴨川になる場所。空にはうろこ雲、川べりでは、数人の男女が鴨川で飛び石を歩く撮影をしていました。撮影の邪魔しないように、反対方法の飛び石へ。

 亀の形をした飛び石が、水の中に並ぶ。向こうから渡ってくる人は、日傘をさしていました。朝の7時でも、日差しはもう強い。

 
そこから、糺の森へ。

 ▶ 『Rouge−継承−』のロケ地を歩く|賀茂大橋から喫茶KANOまで

河合神社|待つあいだに、鏡絵馬の社へ

 糺の森を歩く。森は参道の両側から木が覆いかぶさり、ひんやりと涼しく、朝の光が斑に落ちてきます。竹の手すりには、蝉の抜け殻がひとつ。夏の景色です。

 

 その森のなかに、河合神社があります。下鴨神社の摂社で、ご祭神は玉依姫命。日本第一美麗神、美人の神さまです。

 ここの鏡絵馬は、手鏡の形をした絵馬に、自分の化粧道具で顔を描いて奉納する。軒下に、大きな見本がひとつ。

 この社は鴨長明ゆかりの場所でもあります。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」の、あの『方丈記』。長明は、この河合神社の禰宜の家に生まれた人。ついさっき、その鴨川の合流点を歩いてきたばかりです。

列に並ぶ前に|古神札納め所から、相生社、言社へ

 下鴨神社に着いたのは、7時半。御手洗池のほうでは白いテントを立てているところで、参道に人影はほとんどありません。足つけ神事は9時から。まだ1時間半あります。

 西鳥居へ向かう途中に、古神札納め所があります。去年いただいたお守りを、ここへ返しました。一年、持ち歩いたものです。

 それから、本殿まで戻って、すぐ目の前の相生社。縁結びの社をお参り。

 本殿にお参りして、それから言社(ことしゃ)へ。干支の社です。

 大国主命は、働きごとに七つの名前を持っているのだそうです。その名前ごとに社が建っていて、七つの社に十二支が振り分けられている。自分の生まれ年の社を探して、お参りします。

 今年の干支の絵馬は、大きなものが出ていました。写真に収めて、そろそろかと振り返ると。

下鴨神社の楼門「剣の間」。葵祭で勅使が剣を解く一間に、白馬を描いた絵が飾られている

みたらし祭の足つけ神事の列に並ぶ

 まだ8時すぎだというのに、みたらし祭の列が出てきていて、びっくり。列に並びました。アウトドア用の日傘持ってきてよかった。今回の夏の京都旅でも大活躍でした。

持っていったのは、SIX MOON DESIGNS のシルバーシャドウ ミニ。もともとは山を歩くための傘で、上の面が銀色で日差しを跳ね返し、裏は黒くて照り返しを吸います。重さは193g。傘を差していても、腕が疲れません。

畳むと25センチほどで鞄に入るので、電車でも店でも邪魔になりませんでした。30分の行列も、これ一本でずいぶん違います。

☀️ 京都の夏に、日傘(PR)

 みたらし祭の行列は、ほぼ日向でした。日傘が一本あるかないかで、そのあとの体力の残り方が変わります。

[🔍 シルバーシャドウ ミニ(Amazon)]

みたらし祭の足つけ神事|湧き出る清水で、無病息災を祈る

みたらし祭の朝の下鴨神社。朱の鳥居の脇に「真夏の京の風物詩 みたらしまつり」の幕が下がる
下鴨神社の境内。檜皮葺の建物の奥に朱の輪橋と、祭の白いテントが見える

 みたらし祭は、下鴨神社の御手洗池に足を浸して、ろうそくを供える「足つけ神事」。土用の丑の日に、湧き出る清水で無病息災を祈ります。この池は、葵祭で斎王代が禊をする井上社の前にあります。

 平安時代、貴族が季節の変わり目に禊をして、罪や穢れを祓った習わしだそうです。土用の丑の日にこの池へ足を浸すと、疫病や脚気を除けるとされてきました。

 御手洗池は「鴨の七不思議」のひとつに数えられています。土用の頃になると、池の底から清水が湧く。その泡の形が、みたらし団子のはじまりだと言われ、その数日間だけ、その池へ入ることができます。

 受付で、500円を納めて、受け取った靴袋に脱いだ靴と靴下を入れ、蝋燭を受け取る。池へと降る前に、デニムの裾を膝の上まで上げる。池の水は、ヒヤッとするほど冷たく、膝まで浸かると、足の裏から冷たさが上がってきて、酷暑を忘れるほどでした。

 

ゆっくりと歩いて進んでいくと、右手に蝋燭の火種。ここで、蝋燭に火をつけてまっすぐと進んでいきます。

竹筒の火種から、ろうそくに火を移す瞬間

 

そっと歩きながら、正面と横に並ぶ蝋燭に火を灯します。

池の中のろうそく立て。竹筒が並び、台に蝋が白く飛び散っている


水占いと足形祈願

御手洗池から上がったら、足を拭いて靴を履く。

ご神水をいただくと神事は終えます。

白木の丸桶に置かれた白い徳利と杉の葉、隣の角盆には草花模様の白い小皿



そのあとは、この先も歩く旅を楽しめるように健脚、健腰を足形腰形祈祷木にて祈願を。



帰り際、見つけた水占い


大吉ながら、戒め多しおみくじを預けて、境内を歩く。

 ▶ 青もみじの貴船神社さんぽ|水占みくじと、川床カフェの一服

境内を歩く|第一蹴の地と、三井社

白い奉納提灯が並ぶ朱の回廊沿いの参道。日傘をさした人が楼門へ向かう

池から上がって、境内を歩く。

 朱の回廊に沿って、白い提灯がずらりと下がる景色。本殿前から、糺の森へ。

 森の中に、大きな石があります。ラクビーボールの形が彫られていて、「第一蹴の地」。日本のラグビーが最初に蹴られた場所だそうです。

 その隣が、雑太社(さわたしゃ)。ご祭神は神魂命。「魂(たま)」が「球(たま)」に通じるということで、球技をする人たちがお参りに来るのだと、説明板にありました。

 朝いちばんにお参りした河合神社では、八咫烏が日本サッカー協会のシンボルだと書かれていました。同じ森のなかに、球にまつわるものが2つ。美人の神さまと、方丈記と、球技。糺の森は実り多い森。境内に梅雨の名残の紫陽花が咲いていました。7月の終わりなので、青ではなく、もう赤紫に変わっています。苔の上に、そこだけ色が残っている。


糺の森を抜けて、次の目的地へ。

 ▶ 歩く京都旅|哲学の道から下鴨神社まで

みたらし祭へ行く方へ

列は8時過ぎにできます

 九時からと聞いていました。7時半に着いたときは、まだテントを立てているところで、参道に人影もありません。

 ところが8時を過ぎると、列ができはじめました。並んだのは8時20分。そして8時50分、予定より10分ほど早く受け入れが始まりました。

 30分ほど並んで、9時前には池の中です。早く並べば、その分は早く入れます。九時ちょうどに着くつもりでいると、そのときにはもう列が伸びていることになります。


靴下も脱いで、裸足になります

 受付で献灯料を納めると、靴袋を渡されます。靴と靴下をそこへ入れて、裸足に。ろうそくを受け取るところから、もう裸足です。人工芝の上を歩いて池へ向かう傾斜を下ります。上がってからも、ベンチのところまで裸足で戻ります。

裾は、膝の上まで

 池は思ったより深く、膝下まで浸かります。私はデニムの裾を膝の上まで上げました。ふくらはぎが隠れる丈のものだと、濡れてしまいます。

納めるもの

 献灯料は500円、水みくじは300円。御神水は「お志」で、金額は決まっていません。

おわりに|糺の森を抜けて

 7時前に鴨川デルタでタクシーを降りて、糺の森を歩いて、河合神社にお参りして、足をつけて、水を飲んで、おみくじを引いて。気がつけば、3時間ここにいたことになります。

 9時からと聞いて7時半に着いたときは、ずいぶん間があるなと思いました。けれど、その時間がなければ、蝉の抜け殻も、赤紫の紫陽花も、ラグビーの石碑も見ていません。足をつけるだけなら、30分の行列で足ります。この森は、その前後にあるものです。

 みたらし祭に行かれるなら、朝いちばんに来て、森を歩く時間も持っておくのがおすすめです。涼しいのは、その時間。

 このあとは、京阪で祇園四条へ。

🏨 前泊・延泊で、京都の時間にゆとりを(PR)

みたらし祭は、朝が勝負でした。9時前には列ができはじめて、涼しいのもその時間だけ。朝いちばんから動くには、前の日から京都にいるのがいちばんです。

合わせて読みたい

 ▶ 出町柳から京都御苑、そして「Roastery DAUGHTER & Gallery SON」へ 
 ▶ 京都 一人でも入りやすい店21選


京都に恋する。をもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント