二条城が近づくにつれて、
少しずつ人の気配が濃くなっていく。
入口の前には、長い列。
入場券を求め並ぶ人たち、
その横では、学生らしい団体がいくつも待機している。
見渡すと、学生の団体以外は、
ほとんどが海外からの旅行者のようだった。
さっきまで歩いていた道とは、
まるで別の場所のような賑わい。
一気に観光地の空気の中に。
普段の旅なら、
こういう場所は少し避けてしまう。
それでも今回は、
その流れの中に入っていく。
あらかじめwebチケットを取っていたおかげで、
列を横目に、するりと中へ入れた。

広い敷地の中でも、
人の多さは目に入るけれど、
少し歩くだけで、視線の先は変わっていく。
門を見上げる。
細やかな装飾と、金の意匠。
光を受けて、きらめいている。
人のざわめきとは別のところで、
時間が流れているように感じられる。
キーファー展の予約の時間まで、
少し城内を歩く。


庭へと進むと、
そこに広がっていたのは、満開の桜。
例年より少し遅れた春。
そのタイミングに、たまたま重なった。
枝いっぱいに咲いた桜が、
晴天の青い空に映える。
さっきまで気になっていた人の多さも、
桜のおかげで薄まってくる気がする。
観光地であることと、
その美しさは、
必ずしも切り離されるものではないのかもしれないけど。
このあと、
この場所で現代美術を見ることになる。
その組み合わせの感触を、期待とともにうまく想像できずにいた。




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