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京都で一度は並んでみたかった、餅屋の出町ふたば。秋だけの栗餅を抱えて、おやつを食べるベンチを探しながら、相国寺の塔頭の門前を通り、京都御苑の紅葉の中へ。帰りは御所南の御幸町通を下って宿へ。いつかの11月の、秋の午後の記録です。

2026年の秋に歩くなら、出町ふたばは8時30分から17時30分ごろまで(売り切れ次第終了)。火曜日と第4水曜日がお休みです。栗餅は秋だけの季節の品なので、並ぶなら早めの時間に。京都御苑の紅葉は例年11月下旬から12月上旬、銀杏は12月のはじめごろから落葉がはじまります。御苑は出入り自由で、入苑料はかかりません。お店の営業日やお休みは変わることがあるので、出かける前に確認を。
出町ふたば、栗餅のための30分
この日は朝のうちに大徳寺の塔頭をめぐって、食後の珈琲を飲んだあと。甘いものが欲しくなって、前々から気になっていた出町ふたばの栗餅を目指しました。
出町ふたばもドラマに登場します。ドラマの中では、京都人は豆餅よりも栗餅を食べると言っていました。主人公の沢藤三八子が、どこかのお寺の東屋でこっそり美味しそうに栗餅を食べるシーンが印象的です。

並ぶのを覚悟で行ってみると、手渡されたのは整理券の「5番」。5番目、ということではなく、あまりにも並ぶので5人ずつ区切って数える仕組みらしいのです。列の最後尾は、店の前の道路を渡った向こう側でした。

いつもの私なら帰るところですが、旅先だし、食いしん坊が先に立ち、30分ほど並ぶことに。前に並んでいた地元のおばさまと、並ぶ仲間のような空気になって、話が弾みます。彼女は豆餅一択だそう。私は、栗餅と豆餅の両方の欲張りです。

(写真は以前のものです。今の値段は変わっているので、店頭でお確かめください)
やっと買えたときの、この達成感。散歩しながら、どこかベンチのあるところを探すことにしました。
出町桝形商店街と、出町座
出町ふたばのすぐそばには、出町桝形商店街のアーケードがあります。その中にあるのが、映画館と本屋とカフェがひとつになった「出町座」。ふたばの列に並ぶ前や後に、ふらりと寄り道ができます。出町桝形商店街も、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』に登場します。ヒースロー教授が、魚や豆腐を買うシーンです。

出町桝形商店街は、ドラマのロケ地を歩いた日にも立ち寄っています。

相国寺の塔頭、瑞春院の門前で
栗餅を抱えて、ベンチを探しつつ、気になっていたお寺へ。相国寺の塔頭、瑞春院です。作家の水上勉が幼いころに暮らし、小説『雁の寺』のモデルになったお寺です。ドラマ『京都人の密かな愉しみ』のオムニバス「桐タンスの恋文」(のちに「代替わり編」として放送)では、林遣都さん演じる「洗い屋」の辻純正がこの瑞春院を訪れ、雁の襖絵に見入ります。その場面は、この物語の要。画面には襖絵がしっかりと映っていて、瑞春院のほんものの襖絵なのだと思います。

通常は非公開のお寺ですが、門越しに見る紅葉だけでも、かなり趣きがあります。方丈の襖絵は、いつか観てみたい場所のひとつ。

ドラマ『京都人の密かな愉しみ』のロケ地を歩いた記録は、こちらにまとめています👇

同志社の赤レンガを過ぎて、京都御苑へ
同志社大学の前を通り過ぎて、京都御苑へ。赤いレンガの洋館が、なぜか京都の街によくなじむのです。この今出川キャンパスは、『京都人の密かな愉しみ』のシリーズがはじまったときから、劇中の「洛志社大学」としてずっと登場しています。2026年の最新章『Rouge−継承−』でも、おなじみの景色でした。

同志社大も広いけれど、京都御苑の広さといったら。今出川御門から入って、歩き甲斐のある砂利道を進みます。

紅葉の大木の下は、落ち葉の絨毯。午後の日差しが、ちょうどいい。

見つけたベンチで、ふたばの栗餅をおやつに。三八子さんは東屋で、私はベンチで。栗を先に食べてから、あんこを。もちろん豆餅も。きれいな紅葉を愛でながらのおやつ時間。こういう小さな幸せが、愛おしくなります。


黄金色の銀杏
京都御苑には、銀杏の大木もあちこちにあります。築地塀の上にそびえる銀杏と、砂利道に散り敷いた黄色い葉。紅葉の赤と、銀杏の黄色が、同じ午後に見られました。



御所南、御幸町通を下って宿へ
京都御所のまわりを、御所北、御所東、御所西、御所南と呼び、北へ行くのを「上ル」、南へ行くのを「下ル」と言います。いろいろなことが新しくなっていても、長い都の歴史を、街のそこかしこで感じます。
二日目の終わりは、御所南の御幸町通(ごこまちどおり)を下って、宿へ帰りました。豊臣秀吉が御所へ参内するときに通ったから「御幸」、という説がある通りです。洗練されたお店や老舗旅館の別館、緑におおわれたカフェが並び、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』に出てくる建物も点在していて、歩くだけでかなり愉しめました。


御幸町通を二条通から少し下ったところにある、緑におおわれたカフェ「cafe mole」。『京都人の密かな愉しみ』のシリーズに最初から登場しているお店で、2026年の最新章『京都人の密かな愉しみ Rouge−継承−』では、バー「Forest Down」の外観として映っていました。

そのお隣には、老舗旅館・柊家の別館の門。格子戸の奥に、手入れの行き届いた庭がのぞいていました。

この通りには、料理研究家・大原千鶴さんのアトリエ「遇酒且呵呵(ぐうしゅしょかか)」もあります。NHK『あてなよる』、『京都人の密かな愉しみ』のロケ地にもなったアトリエです。ドラマで見た看板は撮影のためのものなので、ふだんの玄関には掛かっていません。それでも歩いていると、アトリエらしい町家を見つけて、思わずうれしくなりました。

街角の理容店の前で、そのレトロな佇まいに思わず足が止まりました。このブログでは、御所南の理容院を舞台にした小説を連載しています。物語の中の京都も、のぞいてみてください。


栗餅と豆餅で、お腹は空きそうもありません。今夜は夕食とばしかな、と思いながら、宿へ向かいました。
この道のりで出会う『京都人の密かな愉しみ』のロケ地
出町ふたばから御苑を抜けて、御幸町通を下るこの午後の道のりには、ドラマ『京都人の密かな愉しみ』の舞台がいくつも並んでいます。

ほかにもロケ地を歩いた記録はこちらに👇

出町ふたばと京都御苑、秋に歩くときのメモ

- 出町ふたばは並ぶ前提で。秋の午後は30分ほど並びました。整理券を渡されることがあります。
- 栗餅は秋だけ。豆餅は一年中あります。両方買うなら、食べきれる数で。
- お休みは火曜と第4水曜。売り切れ次第終了なので、早めの時間がおすすめです。
- 京都御苑は広いので、歩きやすい靴で。今出川御門から入ると、同志社大学からすぐです。
- 相国寺の瑞春院は、通常は拝観できません。門前から眺めるだけに。
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御所南や河原町三条のあたりに泊まると、御苑からも出町柳からも歩いて帰れます。
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