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茅葺きの山門をくぐると、両側の白砂壇に描かれていたのは、銀杏ともみじの葉。法然院の秋の文様です。その奥の墓地には、紅しだれ桜の下に谷崎潤一郎が眠っています。哲学の道を歩いて法然院へ、帰りは木屋町の路地裏の珈琲店まで。11月の京都の旅の記録です。

2026年の秋に訪ねるなら、法然院の境内は無料で、朝6時から16時まで入れます。お堂の中はふだん公開されておらず、春と秋に伽藍内の特別公開があります。2026年の秋は、11月18日(水)から24日(火)まで。午前9時半から午後4時、拝観料は一般800円です(法然院の公式サイトより)。紅葉の見頃は例年11月中旬から下旬なので、ちょうど重なる時期に合わせて訪れるのがおすすめ。
「すべてはタイミング」、哲学の道へ
この日の午前は祇園のあたりを歩いて、花見小路をあとにバスで左京区へ。今回の旅で、絶対に行こうと思っていたのが法然院でした。八坂神社の西楼門(四条通の突き当たりにある朱色の門)のそば、劇場(よしもと祇園花月)の前の「祇園」バス停から、バス1本です。市バス203系統の「熊野神社・銀閣寺行き」に乗り、「浄土寺」で下車。山のほうへ歩いて疏水を渡り、10分ほどです。
法然院の手前で、お昼ごはんにと思っていたのが、おにぎり屋さんの「青おにぎり」。ところが、痛恨のお休みでした。

店の入口には「すべてはタイミング」の札。なるほど、たしかに。妙に納得しつつも、空腹のお腹は満たさねば。

気を取り直して、二軒となりの昭和なお店「キッチンなかお」へ。ちょっとなつかしい、手作りのハンバーグランチをいただきました。手作りの家庭の味にホッとして、お腹も満たされました。


さあ、哲学の道へ。


哲学の道から下鴨神社まで歩いた春の旅の記録は、こちらに👇

法然院、茅葺きの山門と秋の白砂壇
哲学の道の石標から、山のほうへ少し登ると、茅葺き屋根の山門へと続く参道に入ります。


山門をくぐると、両側には身を清めるための白い砂盛り、白砂壇。季節ごとに描きかえられる文様は、この日は銀杏ともみじの葉でした。

花手水には、季節の花の秋菊。湧き水をたたえた池の橋を渡って、奥の本尊、阿弥陀如来像にお参りします。名残りの紅葉が美しい境内の季節に、間に合いました。



「止め石」という、粋な立入禁止
一般には入れない入口に、「立ち入り禁止」の札の代わりに置かれていたのが「止め石」。関守石や留め石とも呼ばれ、日本庭園や神社仏閣の境内でよく見かけるものです。縄を十字にかけた小さな石がひとつ、それだけで「ここから先は遠慮してください」と伝わる。この和の情緒が、とても好きです。

春、椿の花が落ちる季節の法然院のことは、こちらの記事に👇

紅しだれ桜の下、谷崎潤一郎の墓
参道脇の山の麓に墓地があり、お参りしたい墓所がありました。墓地のいちばん奥の高いところ、紅しだれ桜の下に、谷崎潤一郎の墓所があります。
中央に植えられた紅しだれ桜をはさんで、自然石の墓石が二基。左の墓石には「寂」、右の墓石には「空」と、谷崎潤一郎の自筆が彫られています。左が谷崎夫妻、右が夫人・松子の妹の重子夫妻。『細雪』のモデルにもなった姉妹が、並んで眠っています。
東山を背に立つこの紅しだれは、谷崎が愛した平安神宮の八重紅枝垂桜と同じ桜だと言われています。ここは椿の花の季節にも美しい場所。次は、椿の咲くころにまた訪ねたいと思います。墓所はお参りの場所なので、静かに手を合わせて。法然院を後にしました。

木屋町の路地裏、ELEPHANT FACTORY COFFEE
法然院をあとに、哲学の道を歩いて、河原町へ戻ります。蛸薬師通から木屋町を東に入った路地の、奥の奥。隠れ家のような珈琲店「ELEPHANT FACTORY COFFEE」に、知人のすすめでお邪魔しました。


ここの珈琲を味わおうと、この日は朝からあえて珈琲を飲まずにやってきました。店内はほぼ満席の人気のお店です。深煎りのストレート、マンダリンをマグカップで。珈琲についてきたチョコレートがけのレーズンと、シンプルな正方形の自家製チーズケーキ。
珈琲もチーズケーキも小さな確かな幸せを連れてきてくれるような美味しさでした。
この店の名前は、村上春樹の『象工場のハッピーエンド』から名付けたそう。珈琲豆は北海道の美幌町で焙煎されたもので、店主がイタリアで出会ったお気に入りの豆に近い味なのだそうです。
「古き良き喫茶店に、刺激を足したような店に」。
路地の奥の小さな店には、そんな思いが詰まっています。村上春樹さんの言葉でいえば、小確幸(しょうかっこう)。「小さいけれど確かな幸せ」のことです。
いい珈琲時間を過ごしました。

この日、読んでいた文庫本も、村上春樹のエッセイ『うずまき猫のみつけかた』でした。

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午後から夜遅くまで開いている珈琲店です。営業時間は変わることがあるので、出かける前にお確かめください。
ELEPHANT FACTORY COFFEEのInstagram

📍 この記事で訪ねた場所
▶ 法然院
京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30。境内は無料、朝6時から16時まで。伽藍内の特別公開は2026年秋が11月18日〜24日(9時半〜16時・一般800円)。
市バス「浄土寺」から歩いて10分、「南田町」から5分。法然院の公式サイト
▶ 谷崎潤一郎の墓
法然院の墓地のいちばん奥、紅しだれ桜の下。お参りの場所なので、静かに。
▶ 青おにぎり
京都市左京区浄土寺下南田町39-3。羽釜で炊いたごはんを、注文を受けてから握ってくれるおにぎり屋さん。営業日はお店のサイトから、Instagramで確かめてください。
▶ キッチンなかお
京都市左京区浄土寺下南田町40-2。1978年から続く、昭和の洋食のお店。11時半から21時まで通しで営業、お休みは不定休です。市バス「錦林車庫前」から歩いて2分。
▶ ELEPHANT FACTORY COFFEE
京都市中京区備前島町309-4 HKビル2階。蛸薬師通から木屋町を東に入った路地の奥。午後から夜遅くまで開いている珈琲店です。営業時間は変わることがあるので、お店のInstagramで確かめてください。
📝 法然院と哲学の道、秋に歩くときのメモ
- 法然院の境内は無料。朝6時から16時まで。お堂の中は春と秋の特別公開のときだけです。2026年の秋は11月18日〜24日。
- 白砂壇の文様は季節ごとに変わります。秋は銀杏ともみじの葉でした。
- 谷崎潤一郎の墓は、墓地のいちばん奥の高いところ。お参りの場所なので、静かに。
- お昼は哲学の道の近くで。お店のお休みは事前に確かめておくと安心です。
- 帰りは河原町まで歩けます。木屋町の路地裏の珈琲店で、ひと休みを。
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河原町のあたりに泊まると、哲学の道からの帰りも、夜の珈琲も気軽です。
🍁 2026年秋・京都の紅葉の記事
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- 大徳寺の塔頭をめぐる半日(黄梅院の紅葉と大仙院の縁側)
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