烏丸通りを渡って、新風館へ。
このあたりに来ると、
特に決めていなくても、自然と足が向く場所がいくつかある。
そのひとつが、ここ。
観光地のようでいて、
観光地ではない空気が流れる。

中に入ると、
空間がつくりだすものかもしれない、
外とは少し違う時間が流れているのを感じる。
天井の高さ、抜けのある空間。
音がやわらかく広がって、
人の気配もどこか穏やかになる。

新風館と併設しているエースホテル
ゆったりしたラウンジには、
くつろげるスペースと隣接するコーヒーショップと、
いつも素敵な現代アートが飾られるギャラリースペース
高い吹き抜けの空間に木材を使ったデザイン。
アルファベットのZを描く2階への階段に、
幾何学模様のようなタイル貼りの壁。

つい立ち止まってしまう。
素敵な空間。
階段の下にある、アートスペース。
広くはないその空間に、
そのときどきの現代アートが静かに置かれている。
何かを見に来るというより、
この場所に触れるために立ち寄っている、
そんな感覚に近い。


光の当たり方によって、
少しずつ表情が変わる、
隈研吾さんのデザインした空間を堪能すると、
ショップめぐり
新風館の庭園の上の空はまだ明るさを残しながら、
ゆっくりと色を落としはじめている。

昼でも夜でもない、
少しだけ曖昧な時間。
この時間帯の京都も、美しい。
新風館を後にして、
今夜の店へ向かう途中、
ふと、目に入る文字。
「真田幸村」思いがけず、足が止まる。

京都には数少ないという、
幸村ゆかりの場所。
真田幸村ゆかりとされる念持仏が伝わり、
今は「知恵の地蔵尊」として、静かに手を合わせる場所になっているよう
賑やかな通りから少し外れた、
静かな一角にある。
観光地のような華やかさはないけれど、
地元に根ざす空気に自然と引き寄せられる。


手を合わせるとほんの短い時間なのに、
不思議と気持ちが整う。
神社の不思議。
こんな寄り道の時間も光る石の粒のように記憶に残っていく。
京都は、ほんの少し道を外れるだけでそんな場所に出会う。
その変化の中を歩くこと自体も、
ひとつの体験。
夜の入口の空気。
ここから灯りが増え、
人の流れも、少しずつ変わっていく。
まだ明るさを残したまま、
ゆっくりと夜へ向かうこの時間。
京都の夜は、
静かに、でも確かに、深くなっていく。
京都の一日は、ここからまた、違う表情を見せはじめる。
立ち寄った場所
・新風館・エースホテル京都
中京区車屋町
中庭・アート・建築のバランスが心地よい空間
歴史ある建物を活かしながら、ショップや飲食店、
ホテルがゆるやかに繋がっている。
ー池野 詩織 展 “Spring Fever”
Ace Hotel Kyoto ロビーギャラリー
※会期終了
・高松神明社
中京区高松町
新風館からほど近い、静かな場所に佇む神社。
真田幸村ゆかりとされる念持仏が伝わり、
知恵を授かる「知恵地蔵尊」としても知られている。



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