※本記事にはプロモーションが含まれます。
前回の記事、鴨川沿いのロケ地巡りの前日にも、ロケ地巡りしてきました。
私の京都バイブル、『京都人の密かな愉しみ』——京都の老舗和菓子屋を舞台に、この街の暮らしと四季を静かに描いてきたNHKのシリーズ。今年の1月から3月に放送された最新章『Rouge−継承−』のロケ地は、鴨川沿いだけでなく、御所の東から西陣にかけても、歩いて巡れる近さで連なっています。
五月三十一日の早朝。この日は、東の寺町通から歩きはじめて、今出川を越え、西陣まで。午後の鞍馬に向かう前の、半日のロケ地を巡る旅です。
この記事で巡るロケ地
| 場所 | ドラマでの登場 |
|---|---|
| 下御霊神社 | 鶴子さんの参拝(Rouge 第4話) |
| 梨木神社 | 鶴子さんの参拝・エンディングの萩まつり(Rouge 第3話) |
| 相国寺塔頭・瑞春院 | 初代シリーズのオムニバス「桐タンスの恋文」(「代替わり編」として放送) |
| 同志社大学 今出川キャンパス | 劇中の「洛志社大学」 |
| 俵屋吉富 本店 | 「久楽屋春信」そのもの(このドラマの主舞台) |
| 本法寺 | 三八子と驍の夜桜の逢瀬も場面、洛とも訪れる場所(Rouge 第2話) |
| 雨宝院 | 三八子がこの寺の前を通るシーンがとても印象的で、洛の幼少期の回想(Rouge 第4話) |
寺町通の朝、下御霊神社へ
朝7時にホテルで朝食を済ませて、寺町通へ。まだ開いていない一保堂の店構えに朝の陽が射しているのを眺めながら北へ上がると、下御霊神社(しもごりょうじんじゃ)です。


『Rouge−継承−』の第4話で、銀粉蝶さん演じる大先輩の鶴子さんが手を合わせていたお社。朝の境内はしんとして、参拝の人は地元の人らしき人が一人。ドラマの中の京都は、こういう「観光地ではない場所」から始まります。
梨木神社——エンディングに流れた萩の社
寺町通をさらに上がって、御所の東隣の梨木神社(なしのきじんじゃ)へ。萩の名所として知られ、『Rouge−継承−』では第3話に登場、エンディングには萩まつりの映像も流れました。

境内には、京都三名水にかぞえられる「染井の水」が今も湧いていて、ペットボトルを提げたご近所の方が汲みに見えます。汲むときは、一回5リットルまでで、初穂料100円。五月の境内は、萩の若い緑。九月の萩の頃に、もう一度来たい場所です。


相国寺——非公開の瑞春院、「雁の寺」の門前で
まだ、人気のない出町桝形商店街を通り、開店前の美味しいお漬物の野呂本店を通りすぎ、林光院側から相国寺(しょうこくじ)の広い境内へ。参道を歩いていくと、洪音楼の前の神社へお参りして、本堂の前を通り過ぎて反対の出入口の手前にある塔頭のひとつ、瑞春院(ずいしゅんいん)の門があります。

ここは、作家の水上勉が少年の頃に小僧として修行した寺。その体験から生まれたのが、小説『雁の寺』です。そして『京都人の密かな愉しみ』では、初代シリーズのオムニバス「桐タンスの恋文」(「代替わり編」として放送)のロケ地になりました。
通常は非公開。門は閉ざされたままです。けれど、この門の内側にドラマと小説、ふたつの物語が眠っていると思うと、門前に立つ時間そのものが、ちょっとした愉しみになります。
ドラマの中の物語を回想しながら、総門へと引き返します。 総門の手前には、放生池。真ん中に架かる石橋は天界橋。「天界」とは、当寺と禁裏御所との中間に境界線の役目をはたしているところから名づけられたそう。そして、たくさんの種類の蓮や睡蓮が。

同志社大学——劇中の「洛志社大学」
相国寺の南隣は、同志社大学の今出川キャンパス。赤レンガの校舎が、劇中では「洛志社大学」として登場します。

日曜の朝のキャンパスは静かで、レンガ越しの空が高い。ドラマの画面で見た景色の中を、そのまま歩けます。
HIVE COFFEEでモーニングのプレート
歩きはじめて3時間あまり。同志社大学から室町通りへ出て、次のロケ地巡りへ行く途中、偶然見つけたとても素敵なお店、今出川のHIVE COFFEEで、ひと休み。


注文したのは、ブレックファーストプレート(1,400円)セット。朝の光の入る店内で、朝ごはん。このあとの西陣歩きへの、ちょうどいい充電時間。京都の街はこんなふうに何気ない場所に素敵なお店が点在しているので、うれしくなります。この後、どんどんとお客さんが来店されて、ゆっくりとは行きませんでしたが、いいお店を見つけました。
俵屋吉富——「久楽屋春信」の、ほんものの味
HIVE COFFEEから 室町通を北へ上がると、京菓子司・俵屋吉富の本店。ここが、「京都人の密かな愉しみ」シリーズの主舞台「久楽屋春信」その場所です。240年ののれんの行方をめぐる物語の、あの店構え。この日は日曜日で定休日でしたが、聖地巡りは楽しいもの。

ここから、少し離れた寺之内通りにある「茶ろん たわらや」で、冷やし抹茶ぜんざい(900円)と、代表銘菓の雲龍(400円)をいただきました。


ドラマの和菓子屋の味を、実際にいただく。鴨川沿い編の「サルトルの橋の下でおにぎり」がロケ地に「居る」贅沢なら、こちらはロケ地を「味わう」贅沢です。小豆の風味の奥行きに、劇中で職人たちが守ろうとしていたものの正体を、少しだけ覗いた気がしました。
ちなみに、同じ室町通をずっと南へ下がった三条には、劇中の老舗呉服問屋「伊づ譽」として登場する誉田屋源兵衛の店構えもあります。室町通は、ドラマの「のれんの通り」です。
本法寺——「十の庭」、最後のひとつは
「茶ろん たわらや」の正面の通りには、表千家不審庵・裏千家今日庵があります。その茶の湯の家元が向かい合う小川通を上がって、本法寺(ほんぽうじ)へ。


この桜の木のもと、最終話で三八子(常盤貴子さん)が洛(穂志もえかさん)に語る『Rouge−継承−』の第2話、洛と三八子の過去につながる場面が撮られたお寺です。
このドラマシリーズの主軸、三八子と三上 驍(石丸幹二さん)のシーンで使われたのはこの桜です、夜桜がとてもきれいでした。

このお寺は長谷川等伯ゆかりの寺でもあり、庭は「巴の庭」。そしてもうひとつ、「十(つなし)の庭」があります。置かれた石は、数えると九つ。足りないひとつは、見る人の心で完成する——そういう庭です。
この歴史のあるお寺の境内で、現代の京都を写すドラマの撮影されるのはとても素敵なこと。受付前には、「京都人の密かな愉しみ Rouge 継承」のポスターが貼られていました。

雨宝院——西陣の、花の寺
西陣の路地を歩いて、この日の最後のロケ地、聖天宮雨宝院(うほういん)へ。境内いっぱいに緑が茂る、小さな花の寺。『Rouge−継承−』の第4話、洛の幼少期の回想の場面に登場します。

観光バスの来ない、ご近所の信仰の場所。ここも、静かに、そっとお参りするのがお約束です。常盤貴子さん演じる三八子が日傘をさして、この門の前を通る姿がとても印象的です。聖地にやっと来ることができました。満足満足。
出町桝形商店街——満寿形屋は、売り切れ
ロケ地巡りを終え、バスで出町柳へ戻ります。お昼の調達に出町桝形商店街へ。アーケードに鯖のオブジェが泳ぐ、暮らしの商店街です。名代豆餅の出町ふたばの前には、この時間もまだ行列ができていました。
お目当ては、鯖寿司の満寿形屋。けれど暖簾の先に下がっていたのは「本日は閉店致しました」の札。売り切れじまいです。

人気のお店は、お昼を待たずに終わってしまう。それもまた、暮らしの商店街の顔です。商店街のスーパーでお寿司を調達して、鴨川へ向かいました。
鴨川べりで、小さなピクニック
お昼は鴨川べりで。商店街で調達したお寿司を並べて、小さなピクニックです。

このあと、叡山電車で鞍馬へ向かいました。五月満月祭の日の鞍馬山の話は、こちらでどうぞ。
→ 午後から登る鞍馬寺|五月満月祭と、金剛床で満ちた満月のエネルギー【5月の京都】
そして翌日の午後に歩いた鴨川沿いのロケ地巡りは、こちらの前後編です。
→ 京都人の密かな愉しみ ロケ地巡り|賀茂大橋・銅駝水・喫茶KANOを歩く半日
半日コースのまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 順路 | 寺町通 → 下御霊神社 → 梨木神社 → 相国寺(瑞春院の門)→ 同志社大 → HIVE COFFEE → 俵屋吉富→茶ろん たわらや → 本法寺 → 雨宝院 → バスで出町柳へ → 出町桝形商店街 → 鴨川べり |
| 所要 | 朝7時すぎ出発で、お昼すぎまでの約半日 |
| 使ったお金の実例 | HIVE COFFEEのプレート1,400円/冷やし抹茶ぜんざい900円・雲龍400円/本法寺拝観500円/染井の水 初穂料100円と本殿へのお参りのお賽銭も、もちろん |
| 歩きやすさ | ほぼ平坦。歩きやすい靴で |
ドラマのロケ地は、どこも「観光地」ではありません。お社も、お寺も、和菓子屋さんも、京都の暮らしの場所。静かに、そっと訪ねるのがお約束。
ロケ地の話数や場面の確認には、こちらの記事にお世話になりました。
→ 『京都人の密かな愉しみ Rouge−継承−』聖地巡礼(美術展ナビ)
あわせて読みたい




京ものがたり|鴨川理容院
ドラマのロケ地を歩いていると、京都の路地のどこにでも物語が眠っている気がしてきます。最後に、わたしからもひとつ。舞台は御所南の、三代つづく小さな理容院。東京から来た言葉少なな青年が、京都の人たちの飾らないひとことに支えられて、少しずつこの街の人になっていくお話です。実在のお店ではありませんが、京都の空気はそのままに。第一話からどうぞ。

🏨 前泊・延泊で、京都の時間にゆとりを(PR)
京都はジグザグに歩いてこそ、面白い街です。 予定を決めすぎない時間を持つために、前泊・延泊で旅に余白を。
京都に恋する。をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。



コメント