※本記事にはプロモーションが含まれます。
京都を歩いていると、お店選びで少し迷うことがある。
観光客向けのにぎやかな店ではなく、気取った高級店でもなく、ひとりでカウンターに座って、自分の時間をそのまま楽しめるお店。そういう一軒に出会えると、京都旅がぐっと深くなる。 旅を重ねるうちに、ひとりでも気負わずに過ごせるお店が増えてきて、気づけば21軒に。
これから京都をひとりで歩く誰かに、その出会いを共有したく、東山・祇園、左京、洛北、上京、中京、下京、京都駅周辺エリア別にまとめました。観光地としての京都とは、少し違う顔。静かに食を楽しみたい人の手がかりになればと思います。
条件ではなく、感覚と縁で出会ってきた
改めて考えてみると私はあまり、条件を立ててお店を選んでこなかった。
「こういう店が落ち着く」と整理して説明できるほど、自分の中で言葉にならないもの。
それは、ふと外から見たときの空気で、扉に手をかけた店。
京都好きの友人に教えてもらった店。
何回目かの京都で偶然見つけて、それから何度も通っている店。
ここで紹介しているお店は、細かな条件で選んだわけではない。
ひとりで通ううちに「ここにまた行きたい」と感じた店が、自然と残った感じです。
それでも、少し整理してみると、
「ひとりで入りやすい店」の条件
ひとり旅でお店に入るとき、無意識に見ている小さな手がかりがいくつかあるのかもしれない。お店の格や有名さよりも、もっと感覚的なところに気持ちが動く。
店主・店員との、ほどよい距離感
気さくすぎず、よそよそしすぎず。
ご夫婦で営む店に多い温度感が、ひとり客にはちょうどいい。
カウンター席があるかどうか
カウンターがあるお店は、ひとりで過ごすことを想定してくれている。
背中に向ける視線が少ない分、肩の力が抜ける。
急かされない、時間の流れ
注文も会計も、こちらに委ねてくれる店。
長居しても気が引けない空気は、ひとり時間の質を変える。
ひとつでも「この感じ」があれば、のぞいてみようと思う。
予約・利用のコツ
ここにご紹介するお店は、ふらりと入れる店もあれば、予約が必須の店もあります。
私が通うなかで覚えた、ひとり旅で覚えておきたい小さなコツをいくつか。
予約必須の店は、行きたい日が決まったら早めに
カウンターが数席しかないお店、完全予約制のお店は、当日や前日では入れないことが多いので、旅行の日程が決まったら、予約をします。私の場合は、ざっくりと旅の目的地が決まっていたら、無理のない日に組み込んだり、逆に予約が取れたら、そこから旅の日程を組み立てたりします。
特に予約推奨のお店は、
- 酒処 籠目(清水五条)
- 鈍考/喫茶芳(左京区)
- お酒と巻き寿司・乍旨司(さしす)(中京区)
予約不可・運次第の店は
看板のない店、行列ができる店は、開店直後よりも、その1時間から2時間後くらいの最初のお客様が帰られるくらいが狙い目かも。オテル・ドゥ・オガワは、外待ちもできない8席の店。入れない日は、また次の京都の楽しみにする。
朝・モーニングを味方につける
人気の店も、朝なら静かに過ごせる。
小川珈琲(京都駅)、YAMAZAKI COFFEE、ホーリーズカフェ。
朝から開いている店を起点にして、その日の旅のことを考えるとひとり旅の一日の流れが整う。
東山・祇園エリア
菊しんコーヒー ミニマムな店内にカウンターとテーブル席1つ

東山の路地にひっそりと佇む「菊しんコーヒー」。撮影不可、寡黙な店主。スマホを置き、ただ珈琲の香りと静寂に向き合う時間。サイフォンで丁寧に淹れた深いコクのコーヒーと香ばしいトースト。外国からの観光客が店主がサイフォンコーヒーを淹れる姿を熱心に見ていた。朝から動く体に、深いコクが染み渡る至福のひとときだった。
オテル・ドゥ・オガワ カウンター8席のみの隠れ家

看板なし、予約不可、外待ち不可。入れるかどうかはその日の運次第。カウンターの一番奥の席に着く。最初の小鉢「春菊ときのこのお浸し」でこの店のレベルがわかった。かきフライ、鯵のお造り、焼き銀杏、ぬる燗の喜楽長。ひとり酒の楽しみを存分に味わえる、カウンター席のみ8席の隠れ家。
酒処 籠目 ご夫婦二人が営む、カウンター席のみの小さな店

料理にジャンルの垣根がない、特製のチーズケーキまでいただける料理居酒屋
店内はカウンターのみ、席数も限られていて「知る人ぞ知る」という空気。迎えてくれるのはご夫婦の店主、気さくでほどよい距離感。最初の一品は柴漬けタイプの鯖寿司、続いて牛すじのおでん、蓮根のはさみ揚げ、黒酢豚、イカ墨パスタ。締めは店主渾身のチーズケーキ。こういう店があるから、また京都に来たくなる。
白 haku(ハク) 丁寧な設えとおもてなし

京都の食を教えてくれる空間で特別なお土産を。
数年前に偶然見つけた「白 haku」へ、何回目かの訪問。祇園の細い路地に、すっと佇む持ち帰り専門の和菓子店。高台寺 和久傳が手がける店。今回選んだのは「ごちそう干し柿」。中には百合根あんが詰まっていて、干し柿の深い甘みと百合根のやさしい上品さが重なる。「包むのに少々お時間をいただきます」といつも、お茶を淹れてくれる。この「待つ時間」も含めて、この店の体験。
左京区エリア
柿沼惣菜店 聖護院・吉田。天気のいい日にピクニック

偶然を、店の前通りかかって見つけたお店。鴨川沿いやベンチのある場所でお弁当とお惣菜を持っていくのにおすすめ。樂膳 柿沼の姉妹店
- 白川に導かれるまま、大和橋から岡崎へ続く、知られざる桜の回廊|春の京都旅 ⑰
- 現在の店舗:東大路丸太町上る 京大病院向い。京阪 神宮丸太町駅より 徒歩10分
岡崎公園から冷泉通りへと歩き「柿沼惣菜店(@kakinumasouzai)」へ。大正時代から続く割烹老舗の技が詰まったお惣菜。「柿沼弁当」を選び、岡崎公園の満開の桜の下でピクニック。丁寧に作られたお惣菜が歩き疲れた体に染み渡る。時折吹く風に桜の花びらがお弁当に舞い落ちるのも、この場所を選んだからこそのご褒美だった。
CAFE & GALLERY「りほう」 北白川カウンター席と程よい距離感のテーブルとアート作品

外から見たときの空気がよくて入ってみた。年配のご夫婦が切り盛りをしていて、お客は常連らしいお祖父様がお一人。少しだけ緊張しつつカウンターの隅に座る。店内は現代アートのようなシンプルなオブジェや絵が飾られ、その緊張が心地いい。奥様特製の唐芋のレアチーズケーキとコーヒー。甘さが強すぎず、スムースな口当たり、懐かしい大人の味だった。
éperon(エプロン) 三条駅から徒歩数分。鴨川近くの店主がさりげなく声をかけてくれる店

白を基調としたごくシンプルな店構え、看板の小さな文字が「ここだよ」と教えてくれるような佇まい。テーブル席に私ひとり、外の静けさをそのまま持ち込んだような穏やかで知的な空気。ロワールのペティアン・ナチュレル「La Bohème」が歩き疲れた身体にすっと染み渡る。京きゅうりのピクルスとフランス産シポラタのソテー。本棚を眺めながらのひとり飲みは「もしこのあたりの住民になれたら」という贅沢な妄想に耽る至福の時間。
洛北エリア
鈍考/喫茶芳(どんこう/きっさよし) 特別な図書館で味わい深いコーヒーとノスタルジックなプリンを味わう

2週間前からの予約、当日は事前に送られる入口の暗証番号でロックを解除して入る。壁一面の本棚、ガラス越しの緑の木々。珈琲とノスタルジックなプリンをいただく。丁寧に淹れられた珈琲とプリンは、甘さの中に懐かしさがあって、するりと心がほどける味。縁側に出て檜林と梅谷川の水音に耳を澄ませる90分。何かを考えるのでも決めるのでもなく、ただそこにいる時間を教えてくれる場所。
友和堂 下鴨神社の後にジェラート専門店でひと休み

下鴨神社西参道近くのジェラート店。歩いてきた体は少し汗ばんでいて、ガラス越しのジェラートが目に入りほとんど迷わず入った。自家製ラムレーズンをひとつ。ひんやりとした甘さが体にすっと入る。こういう一口が妙に記憶に残る。少し腰を下ろしてひと息、また歩けそうな気がして店を出た。
メルシーマルギン 哲学の道近く、地元で人気のスーパーでお惣菜やお弁当を買ってピクニック
白川通り沿いにある地元密着のスーパー。お惣菜がずらりと並んでいて、地元の人に混じって外国人観光客も入っていく。美味しそうなお弁当が並ぶ中、京都といえばの鯖すしを選ぶ。白川疏水通りを西へ歩き、桜の木の近くのちょうどいいベンチで青空ランチ。特別なものじゃないのに、ちゃんと美味しいのは京都ならではといつも思う。
上京区エリア
かもがわカフェ 荒神口。鴨川と京都御苑に挟まれた閑静な住宅街の老舗カフェ
2階に上がる店舗の窓際に一列に並ぶカウンター席は一人でゆったりするのにぴったり。

上京区・荒神口にある「かもがわカフェ」へ。久しぶりに訪れたらメニューが少しリニューアルされていた。選んだのは「オニオングラタン煮込みチーズハンバーグ」。セットのフルーツとクラッカープレートも美しく、味もしっかり。カウンター席では地元のお客さんたちが株の話を。特別な空間ではないけれど、こういう「リアルな時間」こそひとり旅にはちょうどいい。
YAMAZAKI COFFEE 二条城近く、地元の人にも、大人気の銅板で焼くホットケーキ
懐かしくて、現代も大人気の地元の喫茶店。お客様も老若男女、国内国外問わず、賑やかな空間は、いるだけで楽しくなる。

銅板で焼くホットケーキが評判のカフェ。友人の体調不良で一人でモーニングに。静かな店内に入ると、香ばしいバターの匂いと焼き上がる音が耳に心地よい。ふんわりとして厚みがある食べ応えのあるホットケーキを味わいながらのコーヒー、大袈裟じゃなく幸せだ。満席の店内で一人じんわり幸福時間。帰りがけに隣席の老紳士二人に声をかけられ、旅先ならではの出会いが生まれた。
中京区エリア
お酒と巻き寿司・乍旨司(さしす) 一人でも居心地よい、カウンター席
二条城前駅から徒歩約5分。烏丸御池にも近い、落ち着いた通りにそっと佇む。呑めて、本格的な手間をかけた和食がいただける隠れ家居酒屋。毎旅、必ず予約をして通っているお店です。


中京区にある「乍旨司」は、京都らしい食材と丁寧な仕事ぶりが光るお店。この日の注文は、ハートランドビール、お造り3種(真アジ・まぐろ・サワラ)、雲子ぽん酢、本もろこの塩焼き、京赤地鶏もも焼き、コッペ蟹巻き寿司。料理はどれも丁寧で、素材の良さが生きているものばかり。味わうたびに、京都ならではの冬の豊かさを感じる。
目印は赤く灯る提灯と店の前に停められた自転車。引き戸を開けて中へ入ると、まっすぐに伸びるカウンター。いつものカウンター席へ。お造りは葉にんにく醤油でいただくかつお、放牧豚の肩ロース焼、蛤と菜の花の酒蒸し、締めはなみだうにの巻き寿司と赤出汁。一年以上ぶりの再訪に、気持ちが浮き立つ。

前田珈琲 マンガミュージアム店 芝生の広場の見える席でまったり珈琲
京都国際マンガミュージアムの併設、お店だけの利用もOK。ミュージアムにある芝生の広場に面した席がおすすめ。芝生と建物を眺めながら、ゆっくりと珈琲を味合えます。

1971年創業の京都の老舗喫茶。京都国際マンガミュージアム内で気軽に立ち寄れる。席に座りひと息つく。注文した珈琲を待ちながら、さっき購入したキーファー展のポストカードを取り出す。口当たりよく厚みのあるカップに口をつける。急がずに飲むためのかたちが、この街の時間の流れとよく合っている。
DIG THE LINE BOTTLE & BAR(新風館内) 外が気持ちのいい季節は、道路に面した外の席でサクッと訪れるのがいい

éperonが満席だったあと、新風館まで来てなんとか見つけた白ワイン。夕暮れ時の外のテーブルは開放的だ。少し肌寒くなってきた。インポートクラフトビールと創作料理が楽しめる新風館内の店。つまみは蓮根の挟み揚げ。
ぎょうざ処 亮昌(新風館内) サクッとビールと餃子とシュウマイ
京都・高辻で誕生した「ぎょうざ処 亮昌」。地産地消を心がけた京素材の餡にはこだわりが詰まってます。

白ワインの一軒目のすぐ隣に餃子の店。生ビールと餃子もいいなと2軒目はしご。もう一品はシュウマイ。京の食材を味わう「和ぎょうざ」が気軽に楽しめる一軒。白ワインから生ビールへ。外に出ると夜の空気。
樋口清栄門(樋口商店) テイクアウト店、店内にベンチがありその場で食べることも

100年続く和菓子の材料問屋が手がける団子屋、元宝塚の男役だった三代目がはじめたという少し異色の背景。注文をしたところから焼いてくれる。焼き上がった団子にとろりとかかるタレ。一口、もっちりとした食感に甘さは控えめで後に残らない。ランチの時間を取ることもなく、こうして小腹を満たすこういう時間のほうが、あとから思い出す。
下京区エリア
ホーリーズカフェ 四条室町店 ちょこっと軽食とかおやつとか
関西圏を中心にセルフサービス方式のカフェ。こだわりのコーヒー豆と軽食と甘いもので、京都でも人気のカフェチェーン店


四条室町の交差点にあるセルフスタイルで気軽に立ち寄れる一軒。朝から営業してモーニングにも使いやすい。コーヒーはすっきりとした飲み口で朝の一杯にちょうどいい軽やかさ。店内は広めで席の間隔にもゆとりがあり、朝の時間帯は特に落ち着いた空気が流れている。一人でも周りを気にせず過ごせる安心感がある。
京都駅周辺エリア
中村藤吉本店 京都駅店 帰りの新幹線待ちに最後の京都のおやつ時間

帰りのお弁当を探しがてら、ふと甘いものが欲しくなって中村藤吉の掲示板を見つける。「まるとパフェ玉露」は京都駅店限定の一品。待ち時間にお茶の試飲もいただける。案内されたテーブルに腰を下ろし、運ばれてきた玉露パフェをひと口。濃い茶の余韻が、4日間の旅の締めくくりにぴったりだった。
宇治の老舗・中村藤吉の「まるとパフェ」は30分以上待つ価値がある。京都駅店限定・季節限定のパフェも登場。長時間の観光で疲れた足を椅子で休ませながら、静かに順番を待つ。席に着くと最初に出てくるお茶も本当に美味しい。
小川珈琲 京都駅店
京都駅地下ポルタ内。地元客にも愛されるコーヒーの名店。ひっきりなしに客が訪れる小川珈琲。通勤時間帯の店内は出勤前の人たちでほどよく賑わっている。分厚いトーストとコーヒーにサラダがついているのがうれしいセット。旅先の朝食は、こういうシンプルなものがちょうどいい。

メゾンカイザー JR京都伊勢丹店 パンもデザートも美味!
JR京都伊勢丹の出入り口にあるメゾンカイザーは、席のスペースが広いので、ゆったりできますし、食事パンもデザートもいただけて、駅の待ち時間も満足するお店です。


JR京都伊勢丹B1Fにあるメゾンカイザー。中央改札を出てエスカレーターを下りたすぐのコーナー。駅ナカとは思えないほど席に余裕があり、ザワザワしすぎないのが気に入っている。半セルフ式でサクッと入ってサクッと出られる気軽さが魅力。おすすめは京都限定のクロワッサンサンド。香り高いコーヒーと一緒に、軽やかなおやつ時間を。
あわせて読みたい・ 別の季節の京都の旅もどうぞ
© 2026 福こ / 京都に恋する。 無断転載禁止
🏨 前泊・延泊で、京都の時間にゆとりを(PR)
京都旅は、前泊・延泊で旅にゆとりを。朝の鴨川を歩いたり、足を伸ばして神戸まで。京都の楽しみは、もっと広がります。
京都に恋する。をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント